地域の方はご存じかと思いますが、先月末、導入舎でサルモネラの陽性牛が確認されました。子牛の導入は現在停止しており、預託者の皆様には大変ご迷惑をおかけしております。
今回は、サルモネラの発生を踏まえて、現在の状況についてお知らせしていきます。また、アグリサービスでのサルモネラ症発生は、今回で2度目となります。今後当面の間は、サルモネラについて掘り下げていくことで、このブログを通して少しでも啓発ができればと考えています。長くなりますが、どうかお付き合いください。
まず、今回サルモネラ症が発生したのは導入舎ですが、2棟あるうちの1棟のみでした。もう1棟の方は子牛、環境共に全て陰性です。また、陽性牛が確認された棟でも環境からは検出されませんでした。陽性となった子牛は隔離し、陰性牛への感染を防ぐべく、消毒も普段以上に徹底しているところです。
今回陽性となった子牛は全部で12頭です。11/8現在、全ての子牛で下痢が治っており、死亡も0です。次回の検査は11/12の予定となっています。
次に、今回のサルモネラ症の症状についてお話していきます。あくまで担当している筆者の主観によるものですが、参考にしていただけますと幸いです。
前回(2023年1月)発生したものはサルモネラ・ティフィムリウム(ST)でした。こちらは伝播力、症状ともに強いとされ、届出伝染病にも指定されています。実際、最初に確認された1頭は死にそうになりました(今は元気です)。
ですが、今回はティフィムリウムではない、届出伝染病にも指定されていない型だったようです。そのせいか、症状も前回よりは軽いように感じました。
具体的な症状ですが、はっきり言って一般的な下痢症と大差ありませんでした。発熱は数頭いましたが、特有の腐敗臭や血便もなく、検査をしなければわからないような症状です。簡潔にまとめると以下のようになります。
・水下痢になる牛が多くない。泥状~粥上の便の期間が比較的長い。
・活力が著しく落ちる牛も少なく、電解水もしっかり飲める牛が多かった。
・40℃の熱と活力の低下がみられたのは3頭(それでも前回死にそうになった牛に比べればずっとマシです)
・便が固まったと思いきや、翌日ぶり返す、というパターンが多かった。
腐敗臭がしないから、血便じゃないから、熱がないから……と思っていても、実は検査してみるとサルモネラ、というパターンが、意外と存在しているのかもしれません。症状が重くなければ、基本的な対処をしている限り、遅かれ早かれ治ってしまうでしょうからね……。
ということで、今回はここで区切りたいと思います。次回もサルモネラについてお話していきたいと思います。11/22更新予定です。閲覧ありがとうございました。
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