強い牛の胃は、子牛のころの「食べ方」でつくられる

子牛の育成で私たちが大切にしていることのひとつに、「粗飼料をしっかり食べられる牛に育てること」があります。

体を大きくすることはもちろん大事です。ただ、それだけではありません。

将来、農家さんのもとに帰ってから、しっかり餌を食べ、体調を崩さず、母牛として活躍してもらうためには、子牛のうちから「食べる力」を育てておくことが欠かせません。

粗飼料を食べるということは、胃を育てることでもあります。乾草を口にし、よく噛み、反芻する。そうした毎日の積み重ねが腹づくりにつながります。粗飼料をしっかり食べられる牛は育ちが安定しやすく、環境の変化にも強くなっていきます。

では、どうやって食べてもらうか。

まず大切なのは、子牛が「食べたい」と思える粗飼料を出すことです。

香りがよく、
カビ臭くなく、
ほこりっぽくなく、
硬すぎず、
古くなっていないもの。

人間でも、においの悪いものや古くなった食べ物には手が伸びませんよね。牛も同じです。

特に子牛は最初の印象が大事で、初めて口にした粗飼料が食べにくいものだと、その後もなかなか食い込みが伸びないことがあります。

そのため、最初は食べやすいものを少量ずつ出すようにしています。一度にたくさん出しても、食べきれずにヨダレがついたり、踏まれたり、時間が経って香りが落ちたりします。

そうなると、ますます食べなくなります。残したものをいつまでも置かず、状態を見ながら新しいものに替える。飼槽をきれいに保ち、牛が口をつけやすい場所に置く。そうした小さな管理の積み重ねが、食い込みにつながっています。

当センターでも、牛が常に新鮮な飼料を口にできるように管理しています。

環境も大切です。水が十分に飲めているか、飼槽の高さや位置は合ってるか、周りの牛に負けていないか、暑さや寒さでストレスを感じていないか。

水が飲めていなければ、乾草の食い込みも伸びません。群の関係性もあわせて見るようにしています。

そして、食べないときほど、牛そのものをよく見ることが大切です。餌が悪いのか、体調が悪いのか。便の状態はどうか、熱はないか、反芻しているか、目に力はあるか。粗飼料の食い込みは、牛の健康状態を知るサインにもなります。

私たちの仕事は、ただ餌を与えることではありません。牛が食べているか、どう食べているか、昨日と比べて変化はないかを見ることです。

子牛のうちに粗飼料をしっかり食べる習慣をつけることは、将来の体づくりの土台になります。農家さんのもとに帰ってからも、しっかり食べて、元気に育ち、母牛として活躍してもらうために。

その土台を作ることが、育成センターの大切な役割だと思っています。

これからも一頭一頭の食べ方を見ながら、しっかり腹をつくり、安心してお返しできる牛に育てていきます。

今日も最後まで見ていただきありがとうございました!

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