突然ですが、子牛に飲ませるミルク、何度に設定していますか?
粉ミルクの場合、お湯の温度ではなく、出来上がったミルクの温度のことです。全乳なら温めてあげればOKですからね。
子牛のミルクは飲ませるときに40℃、というのは、子牛を扱う人にとって、もうほとんど常識のレベルなのではないでしょうか。
冬季は冷めることを見越して、さらに高めの温度を、というのも知られた話ですよね。温度が低いと、消化不良を起こしたりしますから。
「うちは40度のお湯に粉ミルク溶かしてるから、そのへんは大丈夫!」
…とお思いのそこのアナタ、いや待て、と言わせてください。混ぜた後のミルクの温度、測っていますか?
お湯が40℃でも、混ぜると温度が下がりますよね。
つまり、お湯の温度設定は、粉ミルクを混ぜることにより、ある程度下がることを見越して設定すべき、ということです。全乳の場合、お湯は必要ありませんが、温めながらも時々は攪拌して、均等に温めてあげる工夫は必要かと思います。
ということで、アグリサービスでの実践例をご紹介していきます。ロボットが作るミルクはまた別として、手作りする場合は以下の通りです。
お湯の温度
暖かい時期:45℃
寒い時期:48℃
できたミルクの温度
暖かい時期:40~41℃
寒い時期:43~44℃
ミルクの濃度
150g/ℓ
さて、それでは細かく解説していきましょう。
まず、なぜ温度がこうなるのかといいますと、粉ミルクを入れて混ぜると、大抵温度が4~5℃下がるからです。ですので、出来上がりの温度から逆算し、それより5度高く設定しています。
45℃のお湯に溶かせば40℃になる、というのは、筆者が昔アルバイトでお世話になった牧場でのやり方です。
ここから混ぜると……
ほらね!!
ちなみに、「なぜ寒い時期は48℃なんだ?」とお思いの方もいるでしょう。
実は、以前は50℃にしていたのですが、どうも熱がる子がいたので…もう少しやさしめの48℃にしています。冬場はミルクもすぐ冷めてしまいますから、ダメになったカーフジャケットで哺乳瓶をくるんで、冷めにくいように工夫していますよ。
ここまで触れてきませんでしたが、ミルクは濃度も大切です。
といっても基本的に製品に記載の濃度を遵守すれば問題ないと思いますが…。雑にこのカップに一杯、なんてのは好ましくないと思います。きちんと量りましょう。
ということで、ミルクの温度設定のお話でした。
ミルクの消化不良、嫌ですよね。というか、下痢って嫌ですよね。元気良いならまだしも、「あぁ熱ある、電解水飲まない、点滴、獣医さん対応しなきゃ…」もう見るだけで憂鬱、思い出すだけで憂鬱です。全国の子牛担当の皆様、お疲れ様です。
次回は…
【公共牧場への入牧の様子について】
わからない方のためにざっくりと説明しますと、牛を放牧する、ということです。更新は6月7日更新予定となります。
見てくれてありがとうございました!
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