JAえんゆう哺育育成センターとは?
北海道の遠軽町に設立された、新しい哺育育成センターです。子牛から育成牛まで、合わせて約1400頭を収容することができます。
事業主体はJAえんゆう、施設の管理運営会社は(株)えんゆうアグリサービスとなっています。
JAえんゆう哺育育成センター設立の背景
JAえんゆう哺育育成センターは、令和5年3月に完成した、乳牛の預託施設です。えんゆう管内では、酪農家の規模拡大等により、1戸あたりの飼養頭数は増加しています。
そこで酪農家における施設や労働力の不足という課題の解決に取り組む必要がありました。聞き取り調査を行ったところ、預託を希望する酪農家からも、主に労働力軽減や施設の不足を理由としたニーズがあったことから、酪農家の労働負担低減、優良後継牛の確保等を主たる目的とし、設立されました。
施設の特色
生後3~7日の乳牛雌子牛を導入し、人工授精を行い、22ヶ月齢で預託者のもとへ返します。従業員の労働力削減の観点から、哺乳ロボットやバーンスクレッパなどの機械を導入しています。
また、事務所についても、男女別に更衣室やトイレが用意されており、シャワールームもあります。女性に配慮し、男性も快適に過ごせる事務所となっています。
導入舎(生後3〜21日齢)
導入した子牛は、ハッチで個別に管理しています。防疫の観点から、オールアウト方式を採用し、最大38頭収容可能な牛舎を2棟設置しています。また、子牛を移動させた後は、洗浄と石灰塗布による消毒を行っています。2棟の牛舎で使用と消毒をローテーションさせる、とイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
最大の特色はハッチ用の哺乳ロボット、カーフレールです。ロボットが子牛1頭1頭に1日4回、自動でミルクを飲ませます。哺乳の労働負担を大きく減らすことで、その他の使用管理に時間を割くことができます。
哺育舎(21〜60日齢)
この牛舎からは群飼いとなり、哺乳ロボットもカーフフィーダーとなります。80頭の飼養規模ですが、子牛の出生頭数の変動による頭数増加を見込み、120頭まで収容できる規模となっています。
離乳舎(2~5ヶ月齢)
離乳後の牛を管理する牛舎です。240頭まで収容できます。これ以降の牛舎ではカウブラシが設置されており、カウコンフォートにも配慮しています。
育成舎Ⅰ〜Ⅳ(6〜22ヶ月齢)
育成舎Ⅰはフリーバーンですが、Ⅱからはフリーストールとなり、バーンスクレッパにより除糞を省略化しています。
また、育成舎Ⅱからは人工授精が始まります。発情発見機を装着させ、早期受精を目指します。